2011(平成23)年度 審議課題

第1回委員会審議 | 平成23年5月23日 | 審議内容 |
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第2回委員会審議 | 平成23年7月27日 | 審議内容 |
第3回委員会審議 | 平成23年9月29日 | 審議内容 |
第4回委員会審議 | 平成23年10月31日 | 審議内容 |
第5回委員会審議 | 平成23年11月24日 | 審議内容 |
第6回委員会審議 | 平成23年12月28日 | 審議内容 |
第7回委員会審議 | 平成24年2月29日 | 審議内容 |
2011(平成23)年度 第1回委員会審議
平成23年5月23日
- 申請者
- 製剤主任
川野 久美 - 申請課題
- 2011-001
「外来で医療用麻薬を処方されている患者に対する聞き取り調査」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
-
がん患者の8割は終末期に痛みがあると言われている。当院でも多くのがん患者に対し、医療用麻薬を使用している
平成22年1月1日から6月30日の間でも、オキシコドン徐放錠は68名の患者に使用されており、そのうちの45例は、新規に処方が開始されていた。医療用麻薬の普及に伴い、外来診療の中で、医療用麻薬を開始・継続するケースもある。この中の13名も外来処方にてオキシコドン徐放錠が開始されていた。医療用麻薬の投薬にあたっては副作用に対するケア、突出痛に対するケアが必須とされているが、処方データからは副作用に対する投薬・突出痛に対する投薬が行われていないケースも見られ、実態の把握が必要ではないかと考えられた
入院中の患者に対しては、病棟看護師が常にケアを行い、薬剤師も薬剤管理指導を通して介入することが可能だが、当院においては、外来診療の場では、主治医以外の医療職の効果的な介入が出来ていない
また、医療用麻薬の内服方法が理解できていなかったために、痛みを訴え、来院するケースも見られ、主治医以外の医療職が関与することが必要ではないかと考えられる
外来にて医療用麻薬が投薬されている患者に対し、聞き取り調査を行うことで、今後、外来診療の中で、緩和ケアチームが介入すべき問題点を探る
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
2011(平成23)年度 第2回委員会審議
平成23年7月27日
- 申請者
- 外科医長
武内 秀也 - 申請課題
- 2011-002
「Her2陽性の転移、再発乳癌に対するTS-1+Trastuzumab併用療法の臨床第II相試験 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
-
転移・転移・再発乳癌を対象としてTS-1+Trastuzumab併用療法の併用療法の併用療法の有効性安全性を評価する。
主要評価項目 無増悪生存期間(PFS)
副次的評価項目:奏効率奏効率、全生存期間(全生存期間(OS)、安全性治療成功期間(TTF)
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 外科医長
武内 秀也 - 申請課題
- 2011-003
「Her2陰性原発性乳癌に対する術前化学療法としてのTC療法(ドセタキセル/シクロフォスファミド)の有効性と安全性に関する検討」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
- 本試験は前治療歴のないHER2陰性原発乳癌に対する術前化学療法としてのTC(ドセタキル+シクロフォスファミド)療法の奏効率、pCRpCR率、乳房温存および安全性を検討する。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 外科医長
武内 秀也 - 申請課題
- 2011-004
「Her2陰性の手術不能又は再発乳癌患者を対象としたカペシタビン、シクロホスファミド(XC)併用療法の観察研究」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
- Her2陰性の手術不能又は再発乳癌患者を対象としたfirst line治療あるいはsecond line治療以降におけるカペシタビンとシクロフォスファミド併用療法の有効性と安全性を検討する。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
2011(平成23)年度 第3回委員会審議
平成23年9月29日
- 申請者
- 小児科医長
高橋 伸 - 申請課題
- 2011-005
「急性胃腸炎に伴うけいれんの臨床像に関する研究:有熱性けいれんの初療とノロウイルス腸炎及びロタウイルス腸炎の比較を中心として」 - 申請の概要
-
- 医療行為及び医学研究の目的
-
急性胃腸炎に伴うけいれんでは、重症な電解質異常を伴わない軽症の胃腸炎に伴って発症する無熱性の痙攣発作で、短時間に複数回の発作を繰り返すことを特徴とするいわゆる「軽症胃腸炎に伴うけいれん」と、発熱を伴う痙攣が見られる。しかし、有熱痙攣であっても発作の特徴が「軽症胃腸炎に伴うけいれん」と類似する症例はよく観察され、しばしば熱性痙攣との鑑別に困難を伴うことがある。その結果、有熱痙攣をみた場合、初期治療として熱性痙攣と考えてDZP座薬を用いるか、あるいは「軽症胃腸炎に伴うけいれん」と考えてCBZの内服を選択するか迷うことも稀ではない。一方、「軽症胃腸炎に伴うけいれん」では、ロタウイルス腸炎の頻度が高いとされるが、ロタと同等に流行するノロウイルス腸炎での検討は現在までのところ大変少なく、疾患特異性については結論が出ていない。そこで、今回第1に有熱痙攣の初期治療を確立することを目的として、第2にロタウイルス腸炎とノロウイルス腸炎における痙攣の頻度及び臨床特性の差異を知る目的で、NHOネットワークを利用して、今までにない大規模な症例を集積して、急性胃腸炎に伴うけいれん全体の臨床像を明らかにする。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 副院長
酒井 浩徳 - 申請課題
- 2011-006
「急性肝炎から急性肝炎重症型・劇症肝炎に至る宿主側因子の検討」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
- 劇症肝炎は予後不良の疾患だが、その発症初期には、通常の急性肝炎と判別できない。急性肝炎患者の1~3%が劇症化すると推定されているが、どのような場合に重症化し、劇症肝炎に至るのかは未だ不明である。我々は、宿主側の異常な免疫応答が、劇症肝炎の成立に重要な役割を果たしているのではないかと考え、急性肝炎発症時の免疫状態を反映する因子を調査し、その後の経過との相関を検討することで、劇症化の早期予知が可能になるのではないかと考えた。本研究では、急性肝炎を全例登録し、その発症初期の免疫応答を反映する因子(フェリチン・インターロイキン6・インターロイキン10・ミトコンドリアAST)と、患者の臨床経過および予後との相関を検討する。従って、本研究は前向き非介入試験である。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
2011(平成23)年度 第4回委員会審議
平成23年10月31日
- 申請者
- 消化器内科医長
良永 雅弘 - 申請課題
- 2011-007
「男性の下痢型過敏性腸症候群(IBS)に対するラモセトロン塩酸塩の有効性・安全性の検討」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
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本検討はRomeⅢ基準を満たすIBS患者の腹痛・腹部不快感に対すラモセトロン塩酸塩錠の有効性を明らかにするため、中央登録方式によるクロスオーバー比較研究デザインを用いて、イリボーおよびセレキノンをそれぞれ4週間投与し、投与前後におけるVAS値およびIBS-QOL、高感度CRPへの影響について比較検討する新たなIBS治療法確立を目的とした介入試験である。薬剤の評価に当たり、自覚症状を患者自身が直接記入する患者日誌やIBS-QOL質問票にて評価するとともに、患者から血液サンプルを採取して血中サイトカインを測定する。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 小児科医師
古賀 寛史 - 申請課題
- 2011-008
「難聴の遺伝子解折と臨床応用に関する研究」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
- 遺伝性難聴が疑われる症例について、難聴と関連した遺伝子変異の有無を調査する。従来より遺伝性難聴を有する患者は多いと考えられているにもかかわらず、実際に検査が行われ、確定された患者は少ない。遺伝子性難聴の原因や病態を明らかにするために調査を行うことが目的である。方法は同意の得られた患者から採血し、血液をBML経由で東京医療センターに送付しDNA解析を実施する。患者自身にとっては遺伝性難聴について確定診断が得られること、こどもへの遺伝の可能性について情報が得られることがメリットとなる。デメリットは採血を行う際の侵襲である。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 看護部長
姫野 君江 - 申請課題
- 2011-009
「教育担当看護師長配置の評価-看護業務指針にそった活動の実態から-」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
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国立病院機構教育研修事業により専任教育担当看護師長が配置され、平成20年7月に看護業務指針の改正がなされ、教育担当看護師長業務が示された。
教育担当看護師長の配置により教育研修体制の充実が期待できるが、教育担当看護師長の選任方法や活動内容については各施設に一任されているのが現状である。
本研究では教育担当看護師長活動内容の把握と教育担当看護師長配置が院内の教育にどのように影響をあたえているかを明らかにする。
- 研究概要
-
専任教育担当看護師長の配置は、平成19年度の25病院にはじまり、平成23年度は84病院となっている。
本研究では、教育担当看護師長の背景と看護業務指針に沿った活動内容を明らかにすると同時に教育担当看護師長が院内の教育体制や院内の教育にどのように影響をあたえているかを明らかにする。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
2011(平成23)年度 第5回委員会審議
平成23年11月24日
- 申請者
- 泌尿器科部長
田崎 義久 - 申請課題
- 2011-010
「前立腺生検が健康に与える影響に関する臨床研究」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
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前立腺生検後に一時的な血尿や排尿障害の生じることがあるが、これまで健康状態に与える影響については研究されていない。今回、前立腺生検前後に健康状態(健康一般、排尿状態、排便状態、性機能、ホルモン機能、抑うつ状態)に関する情報を問診票に加えてSF-8,EPIC,IIEF5,IPSS,SDSという国際的に共通な質問票を使用して調査し、検査の侵襲性および健康状態への影響を検討する。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- リウマチ科医長
末永 康夫 - 申請課題
- 2011-011
「本邦関節リウマチ患者の疾患活動性・身体障害度・有害事象・医療費用の推移を明らかにするための多施設共同疫学研究」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
- 本邦における関節リウマチ(RA:Rheumatoid Arthritis)診療の実情を継続的に検証するため、引き続き全国規模の他施設共同による患者情報収集解析を行い、RA患者の現状と問題点を明らかにする。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
2011(平成23)年度 第6回委員会審議
平成23年12月28日
- 申請者
- 外科医長
武内 秀也 - 申請課題
- 2011-012
「手術可能病変におけるnab-Paclitaxel(nanoparticle albumin-bound Paclitaxel)followed by FECによる術前化学療法の第Ⅱ相試験」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
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手術可能病変に対するnab-Paclitaxel(nanoparticle albumin-bound Paclitaxel)followed by FECの有用性と安全性を検討する。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 整形外科部長
井原 和彦 - 申請課題
- 2011-013
「国立病院機構共同研究:脊柱後弯あるいは後側弯変形に伴う胃食道逆流症(GERD)の実態調査」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
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前向き比較介入試験。全国の国立病院機構の参加施設で、対象者についてFスケール問診票記載依頼、問診、診察、X線検査による計測を行い、6ヶ月ごとに2年間追跡調査を行う。なお、治療法については規定しない。
わが国における胃食道逆流症(以下GERDとする)は、高齢化社会、食生活の欧米化などの影響で年々増加傾向にある。特に高齢女性におけるGERDの増加が最近、注目されている。GERDの性差は全体として男性の頻度が60歳代までは女性より明らかに多いが、より高齢になると女性の有病率が上昇し男性に近づき、その後、男性を上回る傾向にある。この中年以降における女性の有病率の上昇が高齢者全体での増加に結びついている。その成因として、下部食道括約筋の機能低下、女性の閉経後の肥満、骨粗鬆症や整形外科における退行性疾患に起因する脊柱後弯が指摘されているが、いずれの関連性についての報告も少ない。また、後弯とGERDの病態が解明されていないため客観的診断法も確立されていない。治療においても、これまでの装具は腹圧を上昇させるため症状を憎悪させ、また高齢で他の合併症を有しているため手術には限界がある。本研究では、わが国における後弯変形に伴うGERDの疫学を明らかにし、将来の適切な診断、治療法を確立することを目的とする。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 診療放射線技師
藤本 雅子 - 申請課題
- 2011-014
「マンモグラフィ検診施設画像認定のための画像収集について」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
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マンモグラフィ施設画像認定(マンモグラフィ検診の精度を高め、それを維持するために撮影装置や実際に撮影された写真・撮影に要したX線量などを評価し、検診に必要とされる基準を全て満たした施設を認定施設とするもの)を取得するため
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 整形外科部長
井原 和彦 - 申請課題
- 2011-015
「国立病院機構共同研究:骨粗鬆症性椎体骨折後の新規椎体骨折の危険因子の解明」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
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前向き比較介入試験。全国の国立病院機構の参加施設で、原発性骨粗鬆症で加療中の患者を対象に従来の骨粗鬆症の診察に行われるX線検査、骨密度、骨代謝マーカー等の検査を行い、3年間経過観察を行う。なお、治療法については規定しない。
高齢化社会の進展とともに骨粗鬆症性骨折の増加は社会問題となっている。なかでも椎体骨折は最も頻度が高い骨折といわれている。骨粗鬆症性椎体骨折の多くは外傷の既往なくして起こるが、一定期間の安静やコルセットなどの外固定を行うと局所変形が残っても疼痛は軽減し日常生活に与える影響は少ないと考えられてきた。しかし、近年、一度骨折を起こすと次々隣接椎体の骨折連鎖を引き起こし疼痛や脊柱変形、姿勢異常、さらにこれに伴う逆流性食道炎などの消化器系や拘束性換気障害などの呼吸器系の機能障害によるQOLの大幅な低下を招き、生命予後不良の一因となっている。このため続発する新規椎体骨折の危険因子の解明は必須であり、これにより骨粗鬆症性椎体骨折に関して効率的な検査法および治療法の選択が可能となり、新規椎体骨折を未然に防ぐことになる。本研究の最終目的は、活動的な高齢社会の実現である。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
2011(平成23)年度 第7回委員会審議
平成24年2月29日
- 申請者
- リウマチ科医長
末永 康夫 - 申請課題
- 2011-016
「膠原病・リウマチ性疾患に掛かる医療費の推移を明らかにするための研究-国立病院機構における多施設共同研究-」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
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疾患の治療目的を挙げると、1)患者の苦痛を軽減あるいわ除去する。2)生命予後を改善する。3)患者ADLの維持改善を図る。4)患者QOLの維持改善を図る。ということに集約されると考えられる。これらを実現させるために、薬剤が投与されたり、処置・手術が行われたり、リハビリテーションが施行されたり、こころのケアが行われるのである。
この目的の達成度を報告する臨床研究は無数にある。無数ある臨床研究報告の中で、最も質の高いものが治験である。その理由は、観察期間に制限があるとは言え有効性のみならず有害事象についても解析されていることが多いからである。すなわち、医療介入というものは常にベネフィットとリスクの両面を持ち合わせているのであるから、その両者を観測し公表するということは、医師あるいは患者が医療介入を選択する際の有用な判断材料になるからである。薬剤で言うなら、その公表された判断材料こそ、薬剤の添付文書そのものに他ならない。しかしながら、治験の結果が唯一無二の絶対的情報ではない。何故なら、「治験に組み込まれた患者集団と新規治療法が承認後適応される患者集団の背景因子は異なる」可能性が高いからである。すなわち、治験の段階においては、新規治療介入の有害事象リスク増加を懸念して安全性の高い被験者を組み入れることが多いのに対し、承認後はその適応基準が緩和されることが圧倒的に多いからである。このような手続きを非難しているのではない。「有用性の高い治療法をより迅速に提供する体制」という観点からは、推奨・許容される方法であろう。
まとめると、「治療介入効果に関して最も信頼すべき結果を導き出すのは治験であるが、当該治療が保険適応となった後の有害事象発生に関する追跡研究や観察研究は必ずしも十分ではない場合がある」ということである。近年、関節リウマチの治療は飛躍的に進歩した。その背景には強力な抗リウマチ効果を発揮する生物学的製剤の登場がある。他方、効果の反面、感染症発症リスクの増加が懸念されたため、治験段階と市販後で差異がないかを確認する目的で、一定期間市販後前例調査が行われた。これは画期的なことであるが、登録症例の追跡期間は24週という比較的短いものであった。
疾患に対する治療を考える時、理想的な経過は、「疾患が治癒あるいは改善し、かつ新たな合併症が生じない」であろう。言いかえれば、合併症に対する医療費が増加している状況があるとすれば、これは好ましくないことである。
本臨床研究の目的は、疾患治療に要した医療費と何らかの有害事象(合併症や新規有害事象)対応に要した医療費を経年的に観測していくことで、医療介入の妥当性を検証しようということである。再び関節リウマチを例に挙げると、強力な抗リウマチ効果を提供する新規薬剤の登場により患者ADLやQOLの改善・労働能力回復・関節機能債権手術の減少などがもたらされている可能性はあるが、感染症合併リスク・悪性疾患発症リスク・その他の合併症発症リスクの変化の有無あるいは程度に関する情報収集や解析による検証が必要と考えるのである。
今回、全ての疾患に関して解析を行うのではなく、国立病院機構施設において参加を希望している診療科の協力を得て、「膠原病・リウマチ性疾患に掛かる医療費の推移を明らかにするための研究」を企画した。
詳細な努力目標を記述すると以下のようになる。
- 本邦、膠原病・リウマチ性疾患患者における医療費用全体を明らかにする。
- 疾病治療費用(薬剤費用・検査費用・処置手術費用・麻酔費用・その他)を調査する。
- 掛かる患者に関する費用のうち、原疾患治療費用とそれ以外を鑑別する。
本研究は、「臨床研究に関する倫理指針」を遵守するものであり、倫理委員会承認後に開始される臨床研究である。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 麻酔科医長
大石 一成 - 申請課題
- 2011-017
「PMX-DHP治療による敗血症性ショック患者血漿中の遊離DNA、酸化ストレスマーカー、血管新生関連因子変動の解析」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
- ポリミキシンB固定化繊維カラム(PMX)によるエンドトキシン吸着療法は、敗血症性ショックの状態において、ショックの原因となるエンドトキシンを除去し、ショックを改善させること目的に行われる。しかし、最近では、ショックの改善にはエンドトキシン以外の物質の除去も関与している可能性が指摘され、炎症性サイトカイン、内因性大麻を始めその除去効果について研究がおこなわれている。今回の臨床研究では、敗血症の際に組織へ障害を与える因子として重要な酸化ストレス、細胞障害により血中に遊離しさらなる炎症をもたらすといわれる遊離DNA、また血管新生関連因子等についてPMX治療においてどのように変動するかを調査する。これらの因子はPMX治療においてどのように変化するかに関する研究は現在まで行われていない。具体的な各因子の測定物質として、酸化ストレスに関してはMDA(マロンデルアルデヒド)および80HdG(8ヒドロキシデオキシグアニン)、遊離DNAにおいてはdsDNA、血管新生関連因子においてはAngiopoietinl.2等についてPMX治療中における変化を検討する。今回の臨床研究により敗血症性ショックにおけるPMX治療のショック改善効果のメカニズムを明らかにするとともに、治療導入時期等の指標に役立てることを目的とする。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 泌尿器科部長
田崎 義久 - 申請課題
- 2011-018
「ドセタキセル化学療法中、または治療終了後に進行した前立腺がん患者の治療実態調査について」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
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- 概要
- 多国間、多施設共同研究(非介入、前向き観察研究)
ドセタキセルベースレジメンの化学療法を受け、疾患進行がみられた患者において、登録後12ヶ月間に計画・実施された一連の治療をプロスペクティブに調査する。 - 主要目的
- ドセタキセルベースの化学療法を受け、疾患の進行がみられたmCRPC患者における治療パターンを記述すること
- 副次目的
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- 国ごとの治療アプローチの比較
- 治療法の決定にたいする集学的治療(チームアプローチ)
- ドセタキセルベースレジメン後にさらなる治療を受けている患者の特徴
- ドセタキセルベースレジメン中の効果判定
- 登録後の後治療に対する効果判定
- ドセタキセルベースレジメン中の疾患進行の種類
- 登録後の後治療の実施中の疾患進行の種類
- 化学療法及びホルモン療法以外の一連の治療
- 治療法別の無増悪生存期間及び全生存期間
- ドセタキセルベースレジメン後にさらなる治療を受けた患者のQOL(EQ-5D質問票およびFACT-Pによる健康状態)
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。
- 申請者
- 副院長
酒井 浩徳 - 申請課題
- 2011-019
「病態別の患者の実態把握のための調査及び肝炎患者の病態に即した相談に対応できる相談員育成のための研修プログラム策定に関する研究(厚生労働科学研究費補助金(肝炎関係研究分野)」 - 申請の概要
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- 医療行為及び医学研究の目的
- 本研究班では、B型、C型肝炎ウイルスに起因する慢性肝炎、肝硬変、肝がん患者の実態を把握し、その上で可能なものについてはこれらの患者の所得等の水準の実態把握を行い、病態別の患者に行うべき医療内容等を考慮し、各患者固有のニーズにできるだけ即した形で適切にアドバイスできる相談員等を効果的に育成するための研修プログラムを作成することを目的とする。
- 判定
- 承認
本報告は全員一致で承認された。