H2およびH3の肝限局性転移を有する大腸癌症例におけるRAS/BBAF/P13CaAmutation解析とBevacizumab、Cetuximab有効性の検討(KSCC0802&1002附随研究/KSCC1405A)

(肝臓のみに転移がある大腸癌の患者さんの遺伝子変異が、新しい薬剤の効果を反映するかを検討する研究)
はじめに
肝臓に転移がある大腸癌の患者さんに、薬剤を使った治療が行われることがあります。
これを化学療法と呼んでいます。化学療法は、患者さんによって、高い効果がある場合と、効果が少ない場合があります。しかし、事前にその効果が予想できるわけではありません。この臨床研究で用いますBevacizumab(ベバシズマブ 商品名アバスチン)というお薬は、がん組織へ栄養や酸素を補給するがん組織専用の血管が作られないようにして、がん組織の成長や転移を押さえるお薬です。また、抗がん剤と一緒に使うことでさらに効果を発揮します。また、肝転移の化学療法に最近よく用いられるCetuximab(セツキシマブ 商品名アービタックス)という抗がん剤があります。ところがこれら薬剤は、ある遺伝子に異常がある患者さんに用いた場合、正常な方にくらべて効果が少ないという研究結果が報告されてます。
この研究では、さらに別の遺伝子がこれら薬剤の効果を反映しているのかどうかを検討します。
研究内容
本研究では、過去の臨床試験の既存試料を用いた臨床研究です。本研究の第一の目的は、大腸癌肝転移に対する化学療法の効果を予測する遺伝子変異を明らかにすることです。
すでに実施された臨床研究についでのデータを調べますので、組織採取や採血などの新たなご負担はございません。当研究で試料や診療データを使用することを希望されない場合は、下記連絡先までご連絡下さい。
対象
別府医療センターにおいて、KSCC0802もしくはKSCC1002という名前のついた臨床試験に参加し、大腸癌の肝転移に対して化学療法が行われた患者さんの試料を利用してます。
KSCC0802とKSCC1002は臨床試験の名称です。同意書で確認可能ですが、分からないときはお問い合わせ下さい。
- 研究全体の予定登録数
- 73名
- 当院の予定登録数
- 2名
- 研究期間
- 承認日~2016年3月31日
個人情報の管理について
本研究はヘルシンキ宣言、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に従って実施します。個人情報の漏洩を防ぐため、臨床研究に関する氏名等の個人情報は削除し、第三者が個人情報を閲覧できないようにしております。
また、本研究の実施過程、および結果の公表(学会発表・論文発表)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれていません
研究期間
倫理審査委員会承認日より2016年3月31日まで
二次利用について
本研究で得られた試料等を二次利用する場合は、二次利用時に改めてその医学研究を倫理審査委員会に付議し承認を得た上で利用します。
医学上の貢献
本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、将来研究成果は大腸癌の発症機序の解明および新しい治療の発見の一助になり、多くの患者さんの治療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。
研究機関
- 研究代表者
- 九州大学大学院医学研究院 消化器・総合外科 教授 前原嘉彦
- 当院の研究責任者
- 国立病院機構別府医療センター 消化器外科 川中博文
独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター 消化器外科
担当: 川中 博文
連絡先: 〒874-0011 大分県別府市大字内かまど1473番地
TEL: 0977-67-1111(代)
FAX: 0977-67-5766