〒874-0011 大分県別府市大字内竈(かまど)1473番地
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患者さんへ

治験って何?

人はけがをしたり、病気になったりすると「くすり」を使うことがあります。「くすり」はいきなり人に使われるようになるわけではありません。長い時間をかけて、研究、開発が行われています。まず、人に使う前にねずみやウサギ、犬などの動物で実験します。ここで、安全性や有効性が確認された後、「人」でも本当に安全性や有効性があるかどうかを試験し、厚生労働省が承認した後、「多くの人」に使われるようになります。この厚生労働省が承認するまでの「人」での試験のことを『治験』といいます。

治験って何?

くすりについて

「くすり」による病気やけがの治療は20世紀になってめざましく発展しました。それまで治らなかった病気が治るようりなったり、手術をしなくてもすむようになったり「くすり」は私たちの命や健康を支えてくれています。

しかし、今でも治らない病気は数多くあります。新しいくすりを待ち望んでいる患者さんはたくさんいます。

「くすり」は病気を治す効果がありますが、他方、好ましくない作用(副作用)もありますので、慎重に開発、取扱いが必要です。

くすりについて

くすりができるまで

  • 新しい物質の探索
    くすりになりそうな物質をさがします。
  • 物理的化学的研究
  • 薬の効果の研究
    毒性の研究
    薬が体のどのような部分にどのような強さ、速さで作用するかなどを調べます。
  • 臨床第Ⅰ相試験
    臨床第Ⅱ相試験
    臨床第Ⅲ相試験
    この臨床第Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ相試験のことを一般に「治験」といいます。
  • 厚生労働省に承認申請
  • 製造販売の許可
  • 医薬品の販売
  • 製造販売後の調査
    (臨床第Ⅳ相試験)
    薬は販売された後も、絶えずデータを集めて有効性や安全性を確認しています。

治験の進み方

治験は通常、3つの段階で進められます。

臨床第Ⅰ相試験
まず、少人数の健康な成人にごく少量から少しずつくすりの量を増やしていき、安全性を調べたり、吸収や排泄などを調べます。この段階を臨床第Ⅰ相試験といいます。(この段階の試験は別府医療センターではほとんどありません。)
臨床第Ⅱ相試験
次に、効果が期待される患者さんに、本当に病気を治す効果があるのか、副作用はどうか、使い方や量などを調べます。この段階を臨床第Ⅱ相試験といいます。
臨床第Ⅲ相試験
最後により多くの患者さんについて、有効性や安全性を調べ、効果の範囲や標準的な使い方を確定します。このような最終的段階の試験を臨床第Ⅲ相試験といいます。
治験の進み方

治験実施のルール

治験は人を対象とした試験であるため、ご参加いただく患者さまの安全性と権利が最大限に守られなくてはなりません。そのため、国によって定められた「薬事法」と厚生労働省が定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)」というルールにしたがって行われます。

治験を行う製薬会社や病院は、このルールに従って、治験を適正に行うように義務づけられています。

治験実施のルール

治験に参加したら・・・

治験に参加することで・・・

新しい治療が受けられ、未来の医学に貢献できますが、その反面、未知の副作用の危険性もあります。そのため治験では、患者さまの安全性を守るため綿密な診察や検査が行われます。

参加費用について

初診料、再診料は自己負担になります。(通常の診療と同じです)
治験によって異なりますが、「治験薬」および「治験薬投与期間の検査」の費用は製薬会社が負担します。
また、治験にご参加頂くことになった患者さまの負担軽減として協力費が支払われます。

参加途中でも・・・

参加途中でもやめることができます。やめたからといって患者さまに不利益なことはありませんし、通常の診療で治療を続けて頂けます。

治験スタッフがサポートします

試験への不安や疑問に対応し、精神面、身体面をサポートするスタッフが配置されているので、いつでもご相談ください。